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タイトルから学術書のやさしいものだと連想しがちですが、基本的には著者の日常研究と、過去の研究者のエピソードが8割ぐらい、残り2割で生物についての考察が述べられています。
この割合で良い方にはおすすめの本ですが、もっと真面目なものを求める方には内容が薄いかもしれません。
個人的には、良い題材だと思いますので、もうちょっと実験がらみの内容がほしかったところです。
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レビュー
分子生物学者による生物と無生物を区別するものとは何かについての本。
と書いたもののそれだけでは到底語りつくせない不思議な本だ。
ある章では科学という未知なるジャングルの探求者の冒険譚となり、ある章では科学界におけるダークサイドの部分を暴き出そうとするルポライターの記事
になり、ある章では異国アメリカで生きる日本人の旅行記にある章で自分と科学を宿命的に結びつけたエピソードを自伝的に語るエッセイストの著述に変わるのだ。
まさにカメレオンのような本なのだが、それはおそらく筆者が文章力に秀でているからではないだろうか。
タイトルにも偽りがなく、生物と無生物のちがいとは生物が「動的平衡」の状態にいるということ。
この動的平衡という状態の魅力やおもしろさは、筆者の文章の行間から垣間見える興奮で伝わってくる。
細胞というミクロな世界で起こるダイナミックな物語を、私は文型だが最後まで一気に読むことができた。